佳作
- 工事・メンテナンス部門
- 計画修繕における修繕費用の削減
- 及びランニングコストの削減
阿部 竜太郎 様
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1982年に竣工された29戸のマンション。2007年に前回の大規模修繕工事してから長期修繕計画書上大幅な赤字になることから、いかに計画されている工事を先送りしながらやりくりしていくかが理事会にて検討されていました。
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検討の結果、居住者の高齢化が進んでいる等の状況で、一度に修繕積立金の金額を大幅に値上げすることは難しいと判断し、2段階での修繕積立金の改定を総会にて上程し承認されましたが、管理組合としてはこれ以上の修繕積立金の値上げをしなくても良い方法はないかとの意見が多数でました。
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上記の修繕積立金の改定により目前の修繕工事については借入を行わなくても工事を実施できるようになった為、次回の大規模修繕工事・給水設備の更新工事後の修積立金の不足が大きな課題となりました。(尚、前述の総会決議により大規模修繕工事に再度修繕積立金の改定を予定)
- 大規模修繕工事後の修繕積立金改定の減額、又は延期が出来ないか、修繕計画の練り直し・施工方法の検討を行いました。
- 計画修繕工事における修繕費用の削減及びランニングコストの削減
- まず、初めに窓枠サッシの改修について助成金の申請対象となるとのことから、計画を前倒しにして実施しました。工事金額:28,242,000円(助成金:3,954,792円)
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次に計画上大きな割合を占める設備工事について、給水方式の変更工時の提案を行いました。給水方式の変更を行うことにより、ポンプ等の修繕費用だけではなく、各種点検も不要になることから大幅なコスト削減に繋げることができました。(別紙2参照)
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最後に大規模修繕工事では次回の大規模修繕工事を見据えタイル面を石調シート建材にて仕上げました。これによりタイルの浮き・剥落を防止し次回の大規模修繕工事の際にはクリヤ塗装のみの実施となり、工事費用の削減が見込めます。また、大規模修繕工事の実数清算により減額分を共用電灯のLEDも実施することが出来た為、さらにランニングコストの削減を実施することが出来ました。
- 数年を掛けた提案工事により、大規模修繕工事後に作成した長期修繕計画書では2回目の修繕積立金の改定を前に修繕計画書上の赤字を黒字に変えることできました。
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また、ランニングコストの削減により管理費会計の削減もでき、毎年の修繕積立金会計への繰越金の増加を図ることができました。
- 既存の配線が外壁に取り付けられていた為、配線を傷つけたりしないよう計画を行いシートの貼り付け施工を行いました。
- サッシの改修により、断熱効果が上がり電気代が減ったとの声が多数上がりました。
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また、石調シート建材をタイル面に貼ったことで、マンションの見た目がガラっと一新して新鮮な気持ちになり良かったとの声も頂きました。
- 窓枠サッシ改修工事:¥28,242,000(助成金:¥3,954,792)
- 給水方式変更工事:¥8,800,000
- 大規模修繕工事(共用部LED化含む):¥49,870,260
- 本件を実施することで削減することが出来た費用
(出来る費用)