• マンション・バリューアップ・
    アワード2022
佳作
  1. 工事・メンテナンス部門
  • ライオンズマンション両国耐震補強工事
  • 及び大規模修繕工事
藤田 魁 様
  • ライオンズマンション両国管理組合
  • 株式会社東急コミュニティー
  • 築45年という築年数であり、当マンションでは前回大規模修繕工事から約20年が経過し、建物の外壁等に汚れや、亀裂・浮き・発錆等が見られ、過去の耐震診断結果からも耐震性能が現行の基準を満たさない結果が出ており、このまま放置をすると資産価値の低下や建物の美観を損なうばかりか、老朽化による事故の発生も懸念されることとなる。そこで、理事会並びに総会にて承認を頂いた大規模修繕工事設計コンサルタント会社となる㈱MTK一級建築士事務所と共に、具体的な実施案について検討を進め、施工会社を㈱東急コミュニティーとし、耐震補強工事及び大規模修繕工事を同時に実施することとした。
  • 大規模修繕工事設計コンサルタント会社㈱MTK一級建築士事務所の選定にあたっては、耐震精密診断を実施した会社1社と理事及び管理会社提案から2社の計3社を候補とし、見積取得とヒアリングを実施した。
  • 大規模修繕及び耐震補強工事施工業者㈱東急コミュニティーの選定にあたっては、㈱MTK一級建築士事務所と協議し、条件を付した上で、5社からの応募を受けて5社すべてから見積提出を頂き、金額及び提出資料を精査し、金額の低い3社へヒアリングを実施し、㈱東急コミュニティーを選定いただいた。
  • 建物の資産価値の向上を目指すため、耐震補強工事では、建築基準法が改正される前の1981年(昭和56年)以前に建てられたマンションのため、現在の建築基準法が定める耐震基準に満たない結果となった。そのため、予算状況を鑑み、その中で強度の向上を目指すため、1階・2階の店舗にRC壁の新設を実施し、特に倒壊の恐れのある1階・2階部分の耐震性能や機能を向上させる目的とした。大規模修繕工事では、前回大規模修繕工事から約20年が経過し、建物の外壁等に汚れや、亀裂・浮き・手摺の発錆等が見られたため、建物を建設当初の水準にまで戻すことを目的とした。
  • 耐震補強工事と大規模修繕工事を同時に実施し建物の資産価値の向上を目指す
  • 耐震補強工事は、計画段階では建物を調査しながら、耐震診断を実施した。耐震診断は予備診断、一次診断・二次診断に分けて実施し、予備調査では、設計図書の内容確認により建築物が設計図書通りかどうかを概観し、診断内容(診断の必要性や診断レベル:一次診断/二次診断)を判断した。一次診断では塔屋の現地調査・設計図書により、柱・壁の断面積量・配置パランス・老朽化の進行度合いにより、耐震性能を判定した。二次診断では建屋の現地調査・設計図書により、構造解析を行い、柱・壁の強度・配置バランス・老朽化の進行度合いを詳細に分析し、耐震性能を判定した。また、鉛直部材のほか、建物の靭性も判定した。
  • 診断判定に基づき、耐震補強工事の計画を立て、1階・2階の店舗を部分的にRC壁を新設をする計画とし、耐震診断依頼から施工完了まで、管理組合の特性や補強方法、居住者の協力体制の合意等、多くの時間を要した。
  • また、今回は同時に大規模修繕工事も行うため、建物の全体の劣化状況を把握し、仮設足場上の作業を最優先と考え計画した。特に劣化が著しかった、バルコニーのスチール製手摺をアルミ製の手摺に交換することも計画し、多くの工種がある中、作業の絡みなどを調整し無駄のない工事を心掛けた。
  • 耐震補強計画概要
  • マンション排水管更新工事
  • 排水管改修工事の実施について
  • 耐震補強工事及び大規模修繕工事を同時に実施することによって、限られた期間・予算(費用対効果の向上:工事管理費・仮設費用の削減)、居住者の負担の低減(粉塵対策・騒音対策が低減)等の成果を得ることができた。また、同時に実施することで、建物全体の美装面の統一を図ることができた。耐震補強工事での耐震性能に関しては、震災時の避難時間を確保することができるよう、1階・2階のIs値を0.6以上に確保した。大規模修繕工事では、建物を建設当初の水準に戻すだけではなく、バルコニーの手摺りをアルミ製の手摺りに交換したことにより、次回以降の、手摺り塗装費を削減することができた。
  • また、当マンションの耐震補強工事及び大規模修繕工事は最初に耐震診断を実施した2017年より4年の期間が経過しており、大規模修繕工事及び耐震補強工事のどちらを優先して実施するかを数年掛け検討してきたが、設計事務所の協力も仰ぐことで管理組合内・関係各所と折衝を行った結果、上記工事はどちらも当マンションが実施すべき重要事項であると位置付け、双方の工事を実施でき、管理組合の数年来の課題を解決することができた。
  • ■ 苦労した点・工夫した点
  • 苦労した点は、耐震補強工事の騒音対策・工程管理及び熱中症対策。騒音対策として、防音シートを設置し可能な限り騒音対策を実施した。初夏に騒音・ホコリが発生する作業を行ったので熱中症対策に苦労した。また、騒音が発生する日時を限定した計画で行い、限られた期間の中で工程通り進めるための作業者の人数の手配・住民、近隣への告知を実施し、近隣の方々には通常より広い範囲でご挨拶をしご了承をいただいた。近隣の方々との折衝では特に大規模修繕工事開始前の隣地駐車場は会社の駐車場であり、足場の越境についてご理解いただくこと、また、日中は車両の出入りが頻繁なため、工事車両の出入り・資材の搬入出の調整に苦慮した。
  • 工夫した点としては、耐震補強に伴い一部意匠変更が伴う点から材料並びにデザインの選定を設計者・発注者と協議を密に行い、ご満足いただけるように工夫した。また、耐震補強に際しては1階事務所の営業ができない状況になるため、営業開始時期の調整に際し、当管理組合で工事期間中の賃料を支払う提案を行い、オーナーにもご納得いただき、工事を円滑に進めることができた。
  • 居住者の声
  • 耐震補強工事は1階・2階の店舗部分が施工範囲でしたので、居住者様からのお声は特にございませんでした。
  • 本件を実施するのに掛かった費用(掛かる費用)
  • 工事費:¥126,500,000税込
  • 本件を実施することで削減することが出来た費用
    (出来る費用)
  • 今回は、同時に実施できたことにより、防音対策・足場仮設・共通仮設費・現場管理費・各申請費の削減ができ、¥4,000,000程度削減できたと考えられる。
  • 資料1
  • 補強後の診断結果の所見
  • 工事写真