• マンション・バリューアップ・
    アワード2021
部門賞
  1. 工事・メンテナンス部門
  • 管種の異なる共用部分排水管全体の
  • 一斉樹脂化
    更新工事による
  • 長寿命化への試み
桒原 千朗 様
  • 野村不動産パートナーズ株式会社
  • 建築事業本部 技術管理部 商品開発課
  • 一級建築士/一級施工管理技士/マンション管理士
  • 【マンションの概要】
  • マンション名:『コープ野村東六郷』 築39年 新耐震対応の高経年マンション
  • 所在地:東京都 竣工年:1982年(築39年)
  • 延べ床面積:6,225㎡
  • 規模:地上8階建 90戸 2棟建 
  • 【管理組合の取り組み】
  • 長期利用に向けた検討を進める管理組合の存在
  • 管理組合として『あと2世代は住めるマンションにしたい。』という想いがあり、平成28年にNPO法人リニューアル技術開発協会に加盟したり、駐車場にEV充電設備を導入するなど、新しい技術に対しても前向きな管理組合である。一方で、マンション居住者の高齢化が進んでいる事実を直視し、平成29年に規約改正を行い、役員選任ルールや理事会参加要件を緩和し、今後の継続性のある管理組合運営を行っている。併せて、次世代へのコミュニケーションと情報共有のために、みらいネットへ加入したり、Zoom導入による理事会・修繕委員会・総会の運営を実施する等様々な工夫をしている。
  • 【対象工事の概要】
  • 管種の異なる排水管の一斉更新要望
  •  「今回の排水管工事で、排水管について、将来的な不安を残さないようにしたい」と管理組合から要望があった。
  • 排水管は、塩ビ・鋳鉄・銅管・鋼管の配管が混在し、既に雑排水管(銅管)のピンホールによる漏水や、通気管(SGP)の腐食が進行し、早期に更新工事を行う必要が生じている。併せて横主管に課題が存在し、この問題も同時解決したい。
  • 【対象工事の課題】
  • 専有部分工事の課題と長期修繕計画にない横主管の更新要望
  • 地下ピットへは専有部分からしかアクセス出来ないが、区分所有者がリフォームで塞いでしまっている住戸が存在
  • 横主管については、長期修繕計画にない工事であり、当初計画より大きく費用が掛かる計画となっていた。
  • 【大規模修繕との関係】
  • 大規模修繕工事との同時進行
  • 第3回の大規模修繕時期と重なっており、同時進行での検討が必要であった。
  • 管種の異なる排水管の一斉更新によるライフサイクルコストの提言
  • 将来の更新工事を不要とするためのメンテナンス面での細かな工夫
  • 長期修繕計画に計画されていない工事を実施するための国土交通省の補助事業へのチャレンジ
  • 専有部分に残される課題と将来の所有者に向けたメンテナンスの方向性を示す
  • 大規模修繕工事(第3回)との関係の整理
  • 管種の異なる排水管を、共用部分全て最新の樹脂管へ一斉更新を実施
  • 共用部分の排水管及び通気管を新築マンションで採用の最新の樹脂配管に更新する。合せて、改修の必要が生じている横主管も更新し、今後60年の更新工事を不要としライフサイクルコストを大幅削減する。(添付資料:P2,3参照)
  • 排水管更新工事を不要とする代わりに、メンテナンス面の工夫を施し、将来の不安を除く。
  • 全ての系統において、長期優良住宅の基準に基づき、共用廊下側から掃除口を設置し将来のメンテナンスに備える。(横主管と立て系統の合流部は、全て点検用の桝を新設した。) (添付資料:P4参照)
  • 国土交通省の補助事業「マンションストック長寿命化等モデル事業」へ応募
  • 長期修繕計画上予定していなかった横主管工事の資金に充てるため、理事会が管理会社に相談し、管理会社が可能な補助事業を検討し、国土交通省にて新設された「マンションストック等モデル事業」へ応募した。(添付資料:P5参照)
  • メンテナンスのしおりの発行による区分所有者への告知活動①
    専有部分として残された給湯管改修の方法を明示
  • 今回の工事で、専有部分・共用部分とも排水管・通気管は樹脂化となったが、専有部分については、給水管は樹脂化していますが、給湯管は分譲時銅管で施工されており、将来の漏水の懸念もある。そのため、漏水の懸念を説明するとともに、改修のルートや方法などを、メンテナンスのしおりとして区分所有者へ配付した。(添付資料:P6参照)
  • メンテナンスのしおりの発行による区分所有者への告知活動➁
    点検口の重要さ、排水管の使用上の注意点、今回の工事の目的などを次世代へつないでいく
  • 今回の工事で、幾つかの住戸で1階地下ピットへの点検口がリフォームにより完全にふさがれていた。これを復旧するとともに、今後このような工事をしないために、点検口の重要さを示すメンテナンス上の注意点などを記載した。次世代の所有者に時代が移っても、今回の工事で何をしたか、今後は何に気を付けるかを明記した。(添付資料:P7参照)
  • 大規模修繕工事(第3回)との関係の整理
  • 排水管のみでなく通気管の更新も予定されたので、屋上防水工事に関わる工事となる。大規模修繕工事が先に予定されたが、順序を入れ替え、今回の工事を先行することとした。(添付資料:P8参照)
  • 実施内容
  • 実施結果1
  • 築後80年目に予定していた排水管更新工事を不要とした。
  • 全ての共用部分の排水管・通気管を樹脂管に変更することが出来た。このことで、築後80年目に予定されている排水管の更新工事を不要とすることが出来た。(添付資料:P2参照)
  • 実施結果2
  • メンテナンス面での提案工事を全て完了した。
  • ①専有部分でのリフォーム工事による地下ピットへのアクセスルートの確保
  • 専有部分で、専有部分リフォームにより地下ピットへの入り口を塞いでいました3住戸とも、ご了解のもと、洗濯機の配置変更や床の高さなどを工夫して、既存点検口へアクセスできる大型の点検口を設けることができた。(添付資料:P3参照)
  • ➁排水管更新工事を不要とする代わりの掃除口等の設置工事の完了
  • 排水管のメンテナンスのため、長期優良住宅の規定に合わせて、掃除口を新設した。最下階は、屋外にある横主管側から点検できるように、配管・配線の多い個所であったが、工夫しながら、新たに桝を新設した。(添付資料:P4参照)
  • 実施結果3
  • 国土交通省「マンションストック長寿命化等モデル事業」の工事支援型の採択獲得
  • 今回の工事にあたり、国土交通省主催の令和2年度第2回「マンションストック長寿命化等モデル事業」に応募し、工事支援型事業として、事業採択を受けた。(工事支援型10件応募の内3件の採択)(添付資料:P5、6参照)
  • 実施結果4
  • 「メンテナンスのしおり」の配布による将来メンテナンスへの告知活動を実施
  • 「メンテナンスのしおり」を、将来を含めた区分所有者や入居者へ向け、専有部分の給湯管の改修の考え方や今回工事の概要や使用上の注意点をまとめ、修繕委員会で協議を進め、工事完了後、全戸に配付した。(添付資料:P7参照)
  • 実施結果5
  • 「顧客満足度の高い工事の実施
  • 今回の工事終了後、管理組合より表彰状を頂いた。現在は、第3回の大規模修繕工事を、設計工事監理の立場として対応し、ここまでの良好な関係を継続している。(添付資料:P8参照)
  • 実施結果
  • ■ 苦労した点・工夫した点
  • 専有部分のリフォームの対応
  • 3戸の1階住戸において、リフォームにより既存床面の上に床組みがなされ、地下ピットへの既存点検口が塞がれていた。区分所有者と協議の上、洗濯機などの移動をするプラン変更や段差位置の変更を打合せし、変更のご了解をいただき、リフォームした上部の床に大型の点検口を設け既存点検口へのルートを確保した。また、このリフォーム提案は、排水管更新工事の一斉更新の期間で実施したが、大掛かりな工事であったが、予定した工事期間での実施ができた。
  • 横主管と並行する雨水配管の腐食対応
  • 横主管に並行する雨水配管は、塩ビ管でもあり、今回の対象工事ではなかったが、経年変化で吊りボルトの腐食で支障がある状況であった。理事会・修繕委員会の指示により、今回の横主管の排水管の一斉工事に合わせ、一階廊下下部分の雨水排水管も同時工事として全体工期等調整し、追加として更新工事を実施した。
  • 排水管のアスベスト含有に対する対応
  • 排水管の更新にあたり、配管や石膏ボードなどをアスベスト含有を調べたところ、トイレの耐火2層管に含有が確認された。幸い切断等をすることなく更新できるため、注意しながら取り外し、石綿含有物として処理をした。これにより、全ての住戸のトイレ配管のアスベスト含有した配管を交換することができた。
  • 居住者の声
  • 工事完了後、管理組合より、感謝状の授与があった。(結果説明資料P8参照)
  • 理事長からは、「非常に各戸からの評判の良い工事でした。今後補助金などの関係で管理組合のインタビューが必要であれば、ご協力します。」とのお言葉を頂戴した。
  • (理事長ヒヤリング)今回の応募にあたり、理事長に改めてヒヤリングを実施した。その際に以下のお言葉をいただいた。
  • 『今回の応募は、この工事の意義を広く伝えるいい機会と考えており、受賞出来たら補助事業の採択の時の様に告知し、マンションのみんなが今回の工事に誇りを持ってもらえたらと思う。』
  • 『今回の工事は、管理会社の提案と管理組合(修繕委員会)の審議の両輪がうまく回ることで実現できた。管理組合としては、理事会と修繕委員会が一体となって合意形成が進んだことがポイント、このプロセスで、管理組合における修繕委員会の意義は大変大きく、今回の修繕委員会は今後も継続したい。』と考えている。
  • 工事終了後、工事完了後アンケートを実施した際の今回提案についてのコメント 
  • 工事のスケジュールや内容が冊子で配られ分かりやすかった。
  • 給排水設備のメンテナンスのしおりは良いと思います。
  • 理事会、修繕委員会の意見をよく反映されていたと思う。担当業者及び管理会社共に満足できる工事であった。
  • 排水管工事お疲れさまでした。住民として安心感と資産向上に付き大変うれしく存じます。
  • 今回修繕積立金を使って専有部分修繕を行ない、特に反対者も無く無事に行うことが出来、良い例になった。
  • 今回の工事で公的助成金を使うことができ、費用の一部を補うことができたが、今後も出来るだけこのようなことが出来ればと思います。
  • 5年前にリフォーム済のこのマンションを購入しました。築40年も経っているので心配でしたが、この度排水管工事をして頂きこれからも安心して住めそうです。大変良かったと思います。
  • 本件を実施するのに掛かった費用(掛かる費用)
  • 約8,200万円(税抜)
  • 本件を実施することで削減することが出来た費用
    (出来る費用)
  • 約6,100千円(税抜)
  • 以下 国土交通省への補助事業提案時の根拠
  • ライフサイクルコスト(LCC)の効果の試算(税抜約6,100万円の削減)
  • 現在の長期修繕計画では、塩ビ管は更新しない方針で今回と40年後にそれぞれ5,250万円が計上されている。また今回工事要望には、長期修繕計画にない地下ピットと横主管の更新工事が存在し、近い将来的にこの分割工事(約3,800万)が発生することが想定される。よって、従来のLCCは、2回分の立て管更新工事5,250万円+分割工事3,800万円=合計約14,300万円となり、今回の総額8,200万円と比較し、約6,100万円(税抜)のLCC削減が実現した。なお、この試算には、補助事業の交付金額は含まれておりません。
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