• マンション・バリューアップ・
    アワード2022
準部門賞
  1. 防災・防犯部門
  • コロナ禍での学生による
  • 防犯イルミネーション活動
学生による
防犯イルミネーション
チーム 様
  • 株式会社大京アステージ
  • 技術管理部 東京第二支店
  • 「プラウド新浦安」(以後「当住宅」と表記)は、2008年に浦安市新町地区で分譲された19階建て総戸数733戸の大規模マンションで、築15年になります。
  1. 周囲にも同規模のマンションが並び、自治会活動も盛んで、自治会間も交流が多い地域です。
  2. 2020年春にコロナ禍となり、地域でも全ての行事や活動が中止され、不安と閉塞感に包まれた状況でした。特に学生は自宅学習で、屋外に出ることも憚られる日々が続き、地域活動への参加の機会も失われていました。
  3. 当住宅は敷地が44,000㎡と広大で住宅棟側は車道沿いですが、エントランス側は遊歩道にのみ接しています。車道までは歩道約180mを通行する必要があり、両脇は公園と小学校で、夜間の灯りは少なく不安を感じる道のりです。
    特に帰路は遊歩道を通って帰宅する住民も多く、小・中学校、スーパー、公民館へもエントランス側経由が一般的で、住民の生活経路になっています。一部の敷地内通路は開放通路であり、エントランス付近は地域住民の通り抜け通路にもなっています。
  4. 治安の良い地区ですが、不審者の報告もあり、コロナ前は地域によるパトロール活動も行われていました。
以上の背景のもと、2020年10月に住民である1人の大学生が「防犯イルミネーションの提案書」を自治会に提出し、管理組合や管理会社とも調整の上、翌年度の実施が承認されました。
実施にあたり2点の主目的を掲げました。
  1. 敷地内及び周辺を明るく安全に保ち、防犯効果を高めること
  2. コロナ禍でボランティアや地域交流を含め、社会活動の機会を失っている学生に活動の場を提供すること
また、この活動を通して 「コロナ禍の不安な日々の中で、学生は灯りを灯し、住民は灯りを目にして、あたたかな気持ちを共有し、住宅及び地域活動に愛着を深めてもらうこと」を自治会活動としての目的としました。
  • 防犯目的のイルミネーションを学生チームで敷地内及び周囲に設置し、冬季4ヶ月間の管理・運営を行う。
  • 13人の学生チームで2021年12月から4ヶ月間、電飾全長1.5km、15,000球の設置と点灯管理を行ないました。場所は地域住民の通路となっているエントランス広場の樹木や敷地周囲遊歩道沿いの植え込みです。敷地内を明るく照らし、また小・中学校やバス通りから住民が灯りを目標に帰宅出来るように配置しました。自動点消灯のソーラー電源を24箇所設置、有線電源の電飾10本を2箇所で点消灯しました。
  • 2021年10月、発起人である大学生が前年度の提案書(資料p2)に沿って、自治会役員会で計画を説明し(p1〜p8)自治会の後援を受けて、実施しました。電飾機器の購入、試し置きを繰り返して配置デザインし、11月に全メンバーで打ち合わせ、担当場所の電飾の準備をしました。(p9資料①)
  • 12月、電飾コードを設置後、2年ぶりに行われた「地区合同パトロール」にチームで参加し、地域の方々が見守る中、高校生が司会進行を務め、点灯式を行い一斉点灯しました。メンバーは担当場所の点検を毎週webで報告共有し、有線電源スイッチの毎朝夕の点消灯はリーダーが担当しました。(p11資料②)
  • 3月末、メンバーで電飾の点検・手入れをして収納しました。自治会役員の運転する青色回転灯装備パトロールカーに添乗して、地域へ防犯呼びかけのアナウンスをしながらパトロールを行い1期の活動を終了しました。(p12資料③)
  • 資料ー実施内容
  • 「リサイクル活動」「夏祭りスタッフ」「防災食試食会」など自治会と連携してさらに活動を広げる。
  • 住民、自治会の方々から「イルミネーションチーム」と呼ばれ声かけしていただくようになり、発足時の予定には無かった行事にも参加し、活動を広げました。自治会からの連絡を受けて発起人が電飾報告用webでメンバーに案内したものと、各自が自主的に応募したものがあり、チームで担当することも、役員に混ざって活動することもありました。
  • 2022年
  • 3月「リサイクルフェア」 自治会の活動で受付と運搬の手伝いをしました。
  • 7月「夏季地区合同パトロール」に参加、再び青色回転灯装備パトロールカーに添乗して地域に防犯を呼びかけました。
  • 9月「夏祭り」 コロナ前の開催規模に戻した自治会の行事に準備段階からスタッフとして参加しました。地図及び約50種類のメニュー表や値段表のPOP制作・パウチ作業を担当し、当日は会場設営や各ブースの店員として振り分けられたメンバーが活動しました。
  • 9月「防災食試食会」 市から無償配布された備蓄防災食の在庫整理をかねて自治会が行なった試食会で、ポスターやPOP制作、当日の調理や給仕を担当しました。同日に自治会の他の行事が重なっていたため、メンバーが中心となって活動しました。
  • 耐震補強計画概要
  • 大地震後のトイレ対応について
  • 汚水管チェッカー・実施マニュアル
  • ライトアップで足元の安全の確保に加え、遠くからでも灯りが道標となり、安心感を持って帰宅出来る灯台のような役割を果たせたと思います。期間中、メンバーが各担当場所を持ったことで常に綺麗に保たれ、植え込みに見られたポイ捨ても無くなり、美化にも繋がりました。
  • コロナ禍以後、在宅者が増えて不審者情報が無くなっていたため、関連は定かではありませんが、期間中不審者情報はありませんでした。
  • 地震(3月16日夜)で1階の共用棟が停電した際も、ソーラーの電球が灯っていて、真っ暗な中で心強かったとの報告も受け、防犯のみでなく防災の役割もあると分かりました。
  • 応募者が多かったため、ほぼ学生の活動になり、自治会には後援していただく事になりました。大人の手伝いではなく、主体となった学生達にも、住民にも「灯」という分かりやすい結果が目に見えて、実感の持てる地域活動になったと思います。各メンバーには責任感と同時に「私の場所」という愛着が生まれ、進んで整える姿が見られました。
  • 住民の方々から好意的な声かけを多くいただいた事もあって、終了後は他の地域活動にも積極的に関わるようになり、自治会と協働することが自然になっていきました。学生は地域社会の一員であることを自覚でき、また地域での体験の場や大人の見守りが学生を育てる結果になったと思います。
  • 資料ー実施結果
  • 添付資料
  • ■ 苦労した点・工夫した点
  • 地域合同パトロールの日に点灯式をしたことで、多くの地域住民に知られ、他の自治会でもすぐに取り入れていただきました。
  • コロナ禍であるため、屋外での活動、またWebで報告する形をとるなど工夫して感染対策をしました。
  • 電線の処理や全機材の番号付けなどの事前準備を、次期への引き継ぎも考え、全メンバーで実施したことで管理や情報の共有をスムーズに出来ました。
  • 機材は実施例が多くあるもの、安全性・耐久性の評価が高いものを調べ、試し買いをして段階を踏みました。イベントではなく長期間の防犯目的であるため、マンションの雰囲気を損なわないよう既設の照明と色も合わせ、景観が良くなるように配置しました。植栽業者と剪定の時期も相談しました。
  • 初の試みであり、一部に電気を使用するため、何より安全に注意しました。有線の担当者はタイマーを使わず点検を兼ねて毎日点消灯し、悪天候前には全ての機材を養生し、その後手入れや確認をしました。コロナ禍で在宅していたこと、自治会役員に協力していただいたことで可能でしたが、毎年続けていくためには課題になると考えます。
  • 1年中点けて欲しいという要望もありましたが、学年をまたいでの活動になること、機材の手入れも考え、3月で締めくくりました。防犯対策が季節性のものとならないよう考える必要があります。
  • 居住者の声
  • 住民から(自治会総会等でのご意見)
  • イルミネーションが素晴らしくて、温かな光に本当に癒されました。今後も続くよう学生さんたちに是非お願いしたいです。
  • コロナ禍の生活に彩りが加わってとても良かったです。
  • 遠くからでも明るく見えて、安心感があります。帰り道が楽しみになりました。
  • 高級感がある色でライトアップされたマンションが綺麗に見えます。
  • 他自治会から(地区防犯支部長会でのご意見)
  • 最近のソーラーの明るさと安さに驚いた。早速同じものを当マンションの死角に取り付けて、好評です。
  • 点灯式では一斉に点灯されて感動した。通常は募集で学生が集まるのは考えにくいが、コロナ禍だったからか。
  • 綺麗なので、足を延ばして散歩コースにしている。
  • 参加学生から
  • 初めは知らない人達だったのに、学年を越えて繋がりができたことも有意義でした。
  • 自治会の行事も以前は参加者側だったのに、今はスタッフ側が楽しいです。
  • 学校帰りに私の灯りをチェックするのが日課になりました。点いていると嬉しいです。
  • 自治会から
  • 住民の皆さんに大変好評でした。自治会の幅広い活動を知ってもらう事になり、感謝しています。今後も活発な提案は大歓迎です。一緒に盛り上げていきましょう。
    点検時にも、いつもありがとう。綺麗ですね。散歩が楽しいよ。などよく声をかけていただきました。
  • 本件を実施するのに掛かった費用(掛かる費用)
  • 500球有線電源電飾 10本 
    @5,680→56,800円
  • 300球ソーラー電源電飾 24本 
    @3,197→76,728円
  • コントローラー 5本 
    @900→4,500円
  • 三叉延長コード 2本 
    @2,783→5,566円
  • 電源巻き取り用ボード作成用材料→ 
    3,080円
  • ポスター用印刷紙→547円 
  • 電気代(4ヶ月概算)→7,582円
  • 合計 154,803円
  • 電飾は34本のうち、1本のみ故障。他は来期以降も再利用する。
  • またライトアップ費用は市の自治会運営補助金に適用されるため、来期以降は申請予定。
  • 本件を実施することで削減することが出来た費用
    (出来る費用)
  • 防犯活動という面から費用削減額が推定できません
  • 資料3
  • 別紙1
  • 別紙2