• マンション・バリューアップ・
    アワード2022
準部門賞
  1. マンション管理
    適正評価部門
  • マンション管理適正評価制度の
  • 有益性を実感!
  • マンション管理適正評価制度によって
  • 発覚した重大な問題点と
  • 洗いだされた改善点
  • ~満点評価を獲得するよりも、継続することに本当の意味があると認識!~
片岡 忠朗 様
  • Jワザック両国管理組合 理事長
  • マンション情報
    マンション名:Jワザック両国
    建築年:2016年12月(築7年目)
    総戸数:76戸(内74戸が1K/1DK/1LDKの単身者向け住戸)
    居住者比率:区分所有者(約35%)/賃借人(約65%)
  • 管理組合(理事会)活動の状況
    2020年半ばから理事会が中心となって管理活動に積極的に取り組むようになり、新築当時から管理組合より管理を委託していた管理会社のずさんな管理体制・管理支援業務が判明して不信感が増大。2020年9月には臨時総会を開催し、2021年1月より管理会社を変更する。以降も理事会が主体となって管理活動に取り組み、居住者の暮らしや、マンションの資産価値の向上に努めている。
  • マンション管理適正評価制度の申請登録の取り組み背景
    2022年4月よりマンション管理適正評価制度および管理計画認定制度が開始され、当管理組合でもこれまでの管理改善活動によって高評価を獲得できるだろうと想定する。さらなる資産価値向上のためにも、いち早く取り組みたい制度だと理事会で議論をし、総会への議案上程を決議(東京都墨田区では管理計画認定制度は未対応だったため議案上程できず)2022年5月に開催された通常総会へマンション管理適正評価制度の申請登録をする議案を上程し可決承認され、申請登録に至る。
  • マンション管理適正評価を申請登録することの当初(申請前)の目的
  • 高評価を獲得し、公に公表されることによる資産価値の向上
  • 改善点の洗いだし
  • 理事会活動の道標(理事がいつ代わっても、ある程度理事会で実施すべき管理活動がわかる)
  • マンション適正評価制度によって発覚した重大な問題点(総会議事録の未完成)への対応
  • マンション適正評価制度の申請登録の議案が総会で可決承認される
  • → 実際に評価をする中で、旧管理会社に管理を委託をしていた際に開催された総会(設立総会、第1期及び第3期通常総会)において、議事録は存在していたものの、議長及び議事録署名人による署名・捺印がないことが発覚。
  • → 現管理会社より旧管理会社へ確認したところ議長などが署名・捺印した議事録は存在せず、総会議事録としては未完成であることが判明。
  • → 現管理会社と理事会にて連携のうえ、議事録として当時の議長(旧管理会社含む)および議事録署名人への署名・捺印の対応を実施するに至る。
  • ※今期のマンション管理適正評価では、総会議事録の一部無しの評価となり、マイナス評価の一因となった。
  • マンション管理適正評価制度によって洗いだされた改善点(長期修繕計画書作成)への対応
  • 新築時に作成されていた長期修繕計画書があり、マンション管理適正評価の評価をする中で、計画書どおりの修繕積立金が積立てられているかの確認を実施
  • → 確認した結果、計画よりも実際の積立額が少ないことが判明。
  • → 当管理組合では、管理規約の変更も行い、数百万円の管理費余剰金を修繕積立金へ振替えも実施し、修繕積立金の計画書どおりの金額も徴収してきた。それにも関らず、計画金額よりもなぜ少ないのか原因追及調査を実施。
  • → 調査した結果、既存の長期修繕計画書は、修繕積立金の計画書の金額以上の修繕積立金を積立てすることが前提とされている長期修繕計画書であったためだと判明。
  • ※そもそも既存の長期修繕計画書は総会で承認されていないことも判明。
  • → マンション管理適正評価上は、「長期修繕計画書無し」の評価となり、大幅なマイナス評価要因となった。
  • ※2022年5月に開催された通常総会にて長期修繕計画書の見直し作成の議案を上程し可決承認され、複数社での相見積もりの結果、現管理会社(日本ハウズイング社)にて作成することが確定。
今回作成された長期修繕計画書をもとに、適正な修繕積立金の徴収金額を試算して、次回通常総会にて修繕積立金の徴収金額の見直し(均等積立方式)の議案を上程し、より的確な管理の実現に向けて一歩前進することができたと考える。
  • 実施内容
  • マンション管理適正評価登録申請実施(情報登録公開日:2022年9月9日~)
  • →マンション管理適正評価の申請前には、これまで管理活動を積極的に実施してきたこと。築浅マンションであることからも最高評価(★5)を獲得できるものと当然に考えていた
  • → 実際には評価前には想像もしていなかった重大な問題などが発覚。
  • → 結果は42点(★2)の低評価。非常に大きなショックを受ける。
  • → 同時にマンション管理適正評価制度の本当の有益性を強く認識する。
  • 【マンション管理適正評価制度の有益性と実施の成果】
  • 評価申請前には、★5つの高評価を獲得することでマンションの資産価値の向上につながることがこの評価制度において最も意味があり、有益なことだと思っていた考えが一転。 高評価を獲得することよりも、毎年継続して評価を実施することで常にマンションの管理状況を確認することができるということ。それにより、適正なマンションの管理が維持される結果につながるということが、最も有益なことであり、この評価制度において最も意味のあることだと実感することができた。 今回マンション管理適正評価の申請登録を実施するうえで、それを認識できたことが最大の成果。 当管理組合では今後もマンション管理適正評価の申請を継続して実施し、適正な管理の維持に努めていきたい。その結果のおまけとして、100点満点が獲得できれば理想的だと考える。
  • ■ 苦労した点・工夫した点
  • ◆苦労した点(評価者資格の事前確認と厳正な評価の実施)
  • 今回マンション管理適正評価の評価実施者は、管理会社などに所属もしていない管理業務主任者で評価者資格を保有している当マンション(Jワザック両国)の理事長。
  • →資格を保有した管理業務主任者が自ら理事長を務めるマンションでの評価を実施するケースは初めてということで、利益相反にあたらないかなど、マンション管理業協会の担当者経由で確認を実施。その結果、問題ないとの回答を受けてから評価を実施。
  • →自ら理事長を務めるマンションを評価できることは、自分事と捉えながら改善点を意識して評価できる一方、甘い評価とならないよう厳格な評価をするように注意を心がけて評価を実施。
  • →評価を審査し提出するにあたり不足の添付資料や誤認識があり、マンション管理業協会の担当者の支援を受け、3度目の再審査・提出にてようやく正式な評価審査が完了となり、評価サイトへ掲載されることができた。
  • ◆工夫した点(マンション掲載写真の編集)
  • マンション管理適正評価サイトへ掲載できる写真は3ファイルまで。
  • →掲載したい写真が複数枚あり、3つに絞ることに悩む。
  • →2つの写真を1ファイルにする編集をし、合計6写真を掲載する工夫をほどこし掲載に至る。(当マンションの評価提出前にそのような工夫をしたマンションは無し)
  • 居住者の声
  1. マンション管理適正評価制度による申請・登録は、管理会社の違法行為による管理を発見する契機になったと思います。この事実を、総会前にも特集ニュースとして居住者にお知らせし、過去を清算するための議決への賛同を得ることができるのではないでしょうか?さらに、マンション管理適正評価の導入は、マンションの資産価値向上に資しますので、居住者にとっても大きなメリットがあると思います
  2. 自分が所持するマンションが第三者の観点でどう評価されるかわかるため、面白い試みだと感じています。今後、賃貸に出す可能性もあるため、その際この評価も参考になるかと思っています
  3. 所有するマンションの価値が他と比べてどうなのか、何をしたら理想的なマンションに近づけるのか、管理組合の方には分かりやすい指標になると思いますし、所有者もより高い評価であって欲しいという願いから意識改革にもなると思います。またマンション売買の際の判断基準としても有効だと思います
  4. このような制度の存在を初めて知りましたが、長期的なマンションの価値維持につながる良い取り組みだと思います。今回は、理事長が有識者であることからスムーズに手続きを進めていただきましたが今後更新手続き等が発生した際に、理事長に十分な知識がない場合、どのように運用を継続するかが課題と考えます
  • 本件を実施するのに掛かった費用(掛かる費用)
  • 申請手数料(評価者への支払い):15,000円(税込)
  • 本件を実施することで削減することが出来た費用(出来る費用)
  • 実際の費用に換算することはできませんが、将来にわたり削減できる可能性のある費用
  • 不適正な管理が原因によって発生する費用
  • 不適正な管理が原因による将来的なマンションの資産価値の低下
  • 実施結果
  • 結果報告
  • イメージ写真
  • 別紙1
  • 別紙2