佳作
- マンションライフ・シニアライフ部門
吉田 龍一 様
- 築18年の39戸のマンションには駐輪場が42台あります。しかし、竣工以来駐輪場の数が足りていないことが問題となっており、増設する費用も高額であることからこの問題は塩漬けにされ毎年総会で不満の意見が出ておりました。増設することについても反対意見があったことから、管理組としてはやむを得ず、1階エントランス前に駐輪するよう案内しておりましたが、多いときには20台以上、中にはバイクも駐輪されそのような状況から、第三者の自転車も駐輪されはじめておりました。
このような問題解決に取り組むため、スペースの確保、居住者の駐輪場利用の自重、効率的に駐輪場利用者を把握をすることが課題でした。
- 39戸に対して42区画という限られた駐輪区画で運用する必要があるため、効率よく、計画的に根気強く、スペースの確保を行う必要があります。登録自転車の管理、不要自転車の処分が適宜できておらず管理組合の登録状況とは実態がかなり乖離しておりました。(実際には42区画に対して60台が駐輪されていた)
要因は、駐輪場契約者が自転車に添付する登録シールの運用が杜撰だったためです。赤、青、黄色等のシールが貼られており現に有効なシールがどれか不明になったこと、玄関前に駐輪するよう案内した居住者にはシールを配布していなかったことがあげられます。登録シールについて、過去には毎年更新することが理事会の内規としてありましたが、それも上手く引き継がれておりませんでした。
これを解決するために自転車の登録シールをQRコードに変更することとし、2022年6月より運用を開始しました。
- QRコードでの管理
-
QRコードの情報に契約年月、部屋番号、契約区画を割り振る。
-
現在、様々な色のシールが混在していたため、QRコード入りのシールを契約者に対応して配布しました。配布以降は、自転車と契約情報が紐づいているのでシールの更新は不要になります。
-
利用してないであろう自転車を1カ月の告知期間を設けて処分する。
-
2段式駐輪ラックがあったが、使いづらく利用者もいなかったため故障したままとなっていたので撤去し、その区画をフリースペースにする。
- 不要自転車を撤去したことでスペースを確保できた。
- エントランス前に駐輪するよう案内された方はフリースペースへ移動していただくか、室内に持ち込んでもらい、すべての自転車を区画内に収めることができ美観の向上につながりました。
- 良くあるマンションの駐輪登録シールには、「マンション名」、「部屋番号」、「契約番号」を記載するようになっているが、当該マンションの駐輪シールにはマンション名等が記載されておらず、第三者がQRコードを読み取ったとしても、どのマンションの自転車かはわからないので防犯性が向上した。
- QRコードを読み取ればその自転車の情報がすぐにわかるので登録状況が容易に判断できる。また、毎年シールを更新しないので有効なシールとそうでないシールの判別を行う必要がない。
- 不要と想定される自転車もQRコードを読み取ればどの部屋かわかるため引っ越し等で放置したまま退去されたものであっても問い合わせが用意であり、本人に確認して処分しても良いかどうかの判断ができるようになる。
- 移動日以降、マンションの玄関前に駐輪される自転車は皆無となった。
- 玄関前に駐輪している居住者の方は、管理組合から案内されて駐輪しているので移動の協力を要請しにくい状況だった。そのため、玄関前に駐輪されている自転車が空きスペースに収まるよう事前に不要な自転車を処分したり、フリースペースをつくったり、現理事会役員の駐輪自転車を室内に移動する等の根回しと、駐輪場登録状況の正確な把握を行った。
- 玄関前の自転車を管理会社や理事会役員で勝手に移動するのではなく、移動日を設け居住者に出席してもらい各自で空き区画に移動してもらった。マンションの重大なイベントであることを認識してもらい作業を行った。
- 近隣マンションからも、マンションの顔である玄関が非常に汚いと言われていた居住者より感謝されました。