• マンション・バリューアップ・
    アワード2022
佳作
  1. マンションライフ・シニアライフ部門
  • マンション専用庭の再生と
  • 資源ごみ置き場の新設
  • 〜マンションに癒しの庭ができるまで〜
中尾 能子 様
  • 大和ライフネクスト株式会社
  • 東関東支社千葉第二支店
  • フロントマネージャ―
  • 千葉県柏市の閑静な住宅街にある、築35年、53世帯の私が住むマンションには、公共の公園に隣接するプレイロットと名のついたスペースがあり、建設当時は住民の子どもの専用遊び場スペースとして活用されておりました。
  • この場所は、交通量の比較的多い一方通行の道沿い。しかも小学校の通学路に面しており、かなり目立つ場所です。しかし私が入居した2010年には、この公園スペースはもう誰も使わない、年3回だけ除草される、普段は草ぼうぼうの資源ごみ置き場となっておりました。
  • 2011年の大震災の折、柏市は放射能のホットスポットになってしまったこともあり、隣接した市の公園は除染工事がなされたものの、マンションの敷地は対象にならず、震災一年後の敷地の放射線量計測で、側溝や土地の境の壁際などは放射線量の高い場所が確認され、公園スペースは手付かずとなってしまいました。利用する住民もなく、ベンチの板も無くなったまま鉄の脚だけが残り、大木に育った金木犀だけがポツリ立っているという、なんともうら寂しい状態が昨年まで長く続いていたのです。
  • 2019年、32期の理事会で、大規模修繕の一貫として、全敷地内の緑地管理の大規模な見直しが発案され、その際、「この場所を園芸クラブの活動の場として再生してはどうか」との提案がなされました。ベンチの再生も提案され、引き継いだ34期で、「この場所を園芸クラブの会員だけの場ではなく、皆が憩える場所として、又、ゴミ出しや、出勤の通路としても使えるように整備しよう」と言う方針と目的が決まりました。
  • マンション専用庭の再生と園芸クラブ発足の経緯と1年間の活動の成果〜マンションに癒しの庭ができるまで〜
  1. 園路を敷く事とベンチの再生
  2. マンション側からの入り口が高齢者には段差がきつかったため、段差解消のステップを作る事
  3. 公園内に置かれていた資源ごみのペットボトル、瓶、缶の3種類のゴミ袋を集積する簡易資源ゴミステーションをマンション側の公園の入り口前に新設する事
この3点が理事会で審議され、1. は年間の小規模修繕費を利用し, 2.3 は臨時総会の決議を経て早速工事が施行されました。
(写真1は施工完了した資源ごみステーション)
  • 写真1
  • 資料
  • 資源ごみ置き場はシンプルな作りではありますが、住民、管理人さん共に使いやすく、台風時も瓶カンともに散乱せず、管理人さん不在のお盆時期も袋がこの場所から溢れることはありませんでした。
    外のごみ集積場へ最短距離で搬出出来るようになりました。
    以前はマンションの駐輪場から丸見えだった、住民が瓶、カン、プラごみを出すゴミ袋が、人目につかないところに収まりました。
    集積の終わった満杯になった袋は公園スペースに貯めれれていた為、こちらは、道路側の通行人の目に入っていましたが、それも解消され、マンションの美観がアップいたしました。
  • 園芸クラブ活動スタート前には公園内の放射線測定が行われ、線量も使用に問題がないことが確認され、2021年10月に園芸クラブが発足。現在の部員はまだ3名ながら、スペースを通称「フラワーパーク」と命名して活動がスタートしました。
    園芸クラブのスタートにあたり、野菜、樹木は植えない事、栽培に必要な肥料や種、土などは会費で賄うことなどが細則として決められ、半年単位での会員募集と会費の納入も決まりました。現在の会費は三千円です。
    (写真2は園芸クラブ発足前のベンチも板がない状態の2021年春の写真です)
  • 写真2
  • ■ 苦労した点・工夫した点
  • 資源ごみステーションは経費削減の為、シンプルなデザインを施工会社に理事会が提案。マンション側から目隠しになるガーデントレリスはホームセンターでの購入、搬入をお願いした。初めて施工する工務店のご厚意で下の防草シートと砂利の施工はサービスしていただけた。
    園芸クラブは 「いかにお金をかけないで美しい庭をつくるか」が一つのテーマとなり、大規模修繕時に廃棄予定だった大型の鉢やプランターを貰い受け、肥料は鶏糞や籾殻、腐葉土。土を耕し、会員の知り合いから無料で貰えたレンガや石版を工夫して花壇を少しずつ増やしていき、種を蒔き、株分けをし、近隣の方と苗を交換したり、いただいたりで、あっと言う間にスペースは美しく埋まっていきました。
    元砂場では、タイムや、イワダレソウなど、近年注目のグランドカバープランンツを育てて、少しずつ広いマンション敷地内の緑地に、雑草よけと美化を兼ねて移植を進めております。公園や資源置き場自体も緑地管理業社の除草項目から削除された分、年間緑地管理の費用も少し抑えられる事になり、いいことずくめ。
    これからも、園芸クラブのメンバーやマンション住民の方々と共に、くつろぎのあるマンション暮らしの一助となるよう、クラブの皆さんと共に園芸作業を楽しみながら続けていこうと思っております。
  • 居住者の声
  • 今年春になって、一斉に花が咲き始めると、マンションの住民の方だけでなく、たくさんの近隣の皆様にも声をかけていただくようになりました。「綺麗になりましたね」「毎日隣の公園から見てますよ!」「苗を分けてあげるから取りにいらっしゃい」などなど。隣の公園で遊んでいた小学6年生の子供達5人組には「前はなんにも無かったのに、すごいですね!頑張ってください!」と励まされました。高齢の住人の方々は、春の日差しの中、再生されたベンチでのんびりお話を楽しまれ、「こんな嬉しい事はない、綺麗なお花をみながら、外でくつろげて、こんな場所がマンションに出来るなんて夢にも思わなかった!」と喜んでくださっています。サラリーマンの方々も「行きはここを通って花を見ながら出掛けるんだよ!田舎育ちだからね、雑草取りぐらいは手伝うよ!」「町内会のメンバーさん達も褒めていたよ!ありがとう」と言ってくださる方もおり、思いもしなかったマンションの住民の皆様や町内外の方々との交流も始まりました。「資産価値があがったわよ!」との嬉しいお声も頂きました!!
    (写真3は2022年10月、園芸クラブスタートからちょうど1年目のガーデン)
  • 写真3
  • 本件を実施するのに掛かった費用(掛かる費用)
  • 資源ごみ置き場ネットフェンス設置工事設置及びコンクリートの段差解消階段1段設置 ¥196,680-税込
    経費節減の為、デザインは理事会で提案、マンション側からの目隠し目的に設置したトレリスは、こちらも経費節減の為ホームセンターにある品を指定し購入、搬入、設置を工務店にお願いした。
    施工面は地面の土が丸出しの場所であったが、初めて施工される工務店とのことで、サービスで防草シートと砂利をひいていただけた。
  • 園路 敷石パレット¥68,200-税込 芝シート¥4,800-税込
    園路は業社見積もりが、1社は65万、2社目は100万近くと大変高額であった為、ホームセンターで敷石パレットを購入し園芸クラブ員が並べることにした。後日少しずつ敷石の下に防草シートをしき、両脇に芝を貼ることで敷石が動くことを抑えている。
  • 本件を実施することで削減することが出来た費用
    (出来る費用)
  • 公園部分と資源ごみ置き場は緑地管理業社の除草範囲から除外することができたため、年間で約5万円弱の緑地管理料削減となっている。
  • 資料1
  • 資料2
  • 資料3
  • 【結果報告】管理員は管理組合が守る!
  • 【イメージ写真】管理員は管理組合が守る!