• マンション・バリューアップ・
    アワード2021
部門賞
  1. マンションライフ・シニアライフ部門
  • 自治体と地域住民(団体)および
  • 管理組合との連携による
  • 「街なか花壇事業(花植え活動)」
  • の実施について
米藤 健太 様
  • 株式会社東急コミュニティー
  • マンション事業本部 第一事業部東京中央支店
    営業チームE 所長
  • アクレスティ南千住は2010年1月に南千住地区再開発事業により建造された「特定用途複合建物」である。JR常磐線、つくばエクスプレス線、東京メトロ日比谷線の3つの路線が乗り入れる、「南千住駅」西口に位置し、住宅(マンション)、商業施設(テナント及び店舗)、公益施設(荒川区)により構成されている建物には、近隣地域の住民及び公共交通機関を利用する乗客等、日々沢山の来訪者が訪れる、南千住地域のランドマーク的建物である。
  • アクレスティ南千住には様々な用途部分があり、主な用途部分及びその特徴は以下の通り。
  • ①住宅(マンション)部分
  • 当建物の住宅(マンション)部分は28階建、総戸数215戸でありのタワーマンションである。
  • 築年数11年目ということもあり、若い世帯の居住者が多く、中学生以下のお子様がいらっしゃる家庭が多いことが特徴である。
  • また、再開発により建造された建物の為、旧地権者の居住も多く、南千住エリアの歴史に精通した世帯も多くある。
  • ②商業施設(テナント及び店舗)部分について
  • 「医療モール」という診療所、クリニック、薬局等が入居するフロアがあり、近隣住民が診療の為頻繁に訪れている。
  • 飲食店、菓子店、コンビニエンスストアの入居があり、近隣住民による利用が多くなされている。
  • ③公益施設について
  • 荒川区の「南千住区民事務所」という公益施設が入居しており、各種行政サービスの利用者が頻繁に訪れている。また、荒川区の「南千住駅前ふれあい館」という公益施設が入居しており、そこには体育館や図書館、集会室、炊事室が設けられており、各種サービス等の利用者が頻繁に訪れている。
  • ④その他
  • 建物の外周及び地下に、来訪者用の有料駐輪場が設けられており、建物来訪者や、南千住駅を通勤の手段として利用されている近隣住民が、駅までの通勤時に利用している。
  • 上記「背景1及び2」に記載の通り、その立地及び建物の特性上、沢山の人々の暮らしや営みがあり、また、沢山の周辺住民が建物に訪れている。建物に関わる人々、訪れる人々の心に温もりを与え、「和やか」な気持ちにする、そんな取り組みを管理組合として企画・検討したいという想いがあった。また、管理組合と地域とで連携し、災害及び事件・事故等発生時の相互扶助体制を構築し、安心安全なまちづくりを行いたい、そして南千住エリアが人々にとって「住みたい街」「住みやすい街」となることが、ひいては住環境の向上及び建物の資産価値の向上に繋がると考えた。
  • ①南千住駅前に位置するランドマーク的建物であるアクレスティ南千住をお花でいっぱいにし、居住者、来訪者等、建物に関わる人々の日々の暮らしや心に彩を与えたい。
  • ②地域共創に取り組み、地域社会と連携し地域(町全体)の活性化と、災害及び事件・事故等発生時における相互扶助体制を構築し、安心安全な住環境(及び地域貢献)としたい。
  • ③新築当初からの課題である、建物敷地内の違法駐輪対策を講じたい。
  • ④建物の住環境及び資産価値の向上に留まらず、本活動を通じ地域(街)全体の活性化に繋げ、南千住エリアが人々にとって「住みたい街」「住みやすい街」な地域となるよう努めたい。
  • 上記「目的1~4」を通じ、住環境並びに建物の資産価値の向上を図りたい。
  • 管理組合主体で東京都荒川区が企画・推進する「街なか花壇事業」に参画し、プランターへの花植え活動を実施
  • アクレスティ南千住管理組合において、当建物の居住者及び関係者等にて、敷地内にプランター(花壇)を設置し、花植え活動を実施した。活動にあたり東京都荒川区が推進する「街なか花壇事業」へ管理組合主体とし参画。また、周辺地域で花壇事業を行っている事業団体へ、お花のお世話全般に関するアドバイスや活動の補助を求め、第一回目の活動を実施した。なお、当日の活動参加者は約40名であった。
  • 荒川区が企画・推進する「街なか花壇事業」とは
  • 公園や道路等の街なかの公共的な場所に設置した花壇において、地域の皆様に草花のお手入れを楽しんでいただき、区がこれを支援するもの。令和2年7月1日時点で区内に90箇所を超える街なか花壇があり、700名以上のボランティアの皆さんが活動している。
  • 活動に際し、荒川区からプランター、花苗、用具(軍手・スコップ・ジョウロ等)の貸与、作業時の怪我や疾病に対応する「ボランティア保険」加入手続き等、荒川区の協賛・協力(職員の派遣等含む)を得て活動に取り組むことができる。
  • ※「街なか花壇事業」の案内チラシ及び事業概要については「バリューアップのための実施内容(添付資料)」を参照ください。
  • 近隣住民への活動協力要請について
  • 活動にあたって、植える花の種類の選定や、プランターへの苗植えの方法等の助言を得るため、当建物近隣施設にて花植え活動を行っている事業団体の代表者へ当建物の花植え活動の補助及び支援の協力を要請した。快諾いただき、活動のボランティアとして参加いただいた。
  • 新型コロナウイルス禍での活動について
  • 新型コロナウイルス感染予防の観点から、本活動の参加者(作業者)は「小学生以下のお子様」を対象とし、お子様向けの「花植え体験」と銘打ち開催した。なお親御様(保護者)の参加はお子様の最低限の補助並びに見守りとした。
  • ※「参加者募集案内」については「バリューアップのための実施内容(添付資料)」を参照ください。
  • 実施内容
  • ①建物をお花でいっぱいにし、建物に関わる多くの居住者や関係者、来訪者の日々の暮らし、心に温もりを与え、「和やか」な気持ちにすることができた。
    (※花植え完了後の写真は「結果添付資料」をご参照ください。なお活動風景の写真は、お子様の参加者が多数あり個人情報等に大きく関わることから、この度添付をしておりません。)
  • ②建物内のコミュニティー形成に留まらず、自治体と地域住民(団体)および管理組合との連携による活動を通じ、災害等発生時における相互扶助体制を構築することができ、「安心安全」な街づくりに寄与することができた。
  • ③色とりどりのお花のおかげで、建物敷地内の違法駐輪が劇的に減少した。 当建物新築当初より、来訪者による敷地内への違法駐輪が頻繁に行われ、様々な自転車が雑然と置かれている光景は、当建物の資産価値を著しく損ねるという意見が多く寄せられていた。 また、「駐輪禁止」と書かれてあるコーンや看板等を設置し、駐輪対策を講じてきたが、そのようなコーンや看板が所狭しと置かれている光景そのものが、建物の景観を損ね、資産価値等を損ねるとの意見もあった。
  • そのような状況の中、本活動により、プランター(花壇)がコーン等駐輪対策物の代わりとなり、尚且つそこに色とりどりのお花を植えたことで、「きれいなお花の近くに自転車は置けない」という、人々の心情へ訴求できたことが、違法駐輪の劇的な改善に繋がったと考える。
  • ④上記「実施結果1~3」を通じ、住環境の向上及び建物の資産価値の向上につながった。また、地域住民より「綺麗なお花のおかげで地域全体としての印象も良くなり、南千住エリアの印象そのものがより良いものへと変わった」とのお声を頂戴した。
  • ⑤夏休み中にもかかわらず、コロナ禍の為遊びにも旅行にも行けなかった子供たちが花植えを楽しんでいただき、その結果「(この活動のおかげで)夏休みの楽しい思い出が出来た」というお言葉をいただいた。
  • 実施結果
  • ■ 苦労した点・工夫した点
  • 花苗の選定及び苗の植え付け方法についてレクチャーを受ける為、周辺地域で花苗活動を行っている団体の代表者へ活動へのボランティア参加を依頼した。活動までの間、花苗の選定から当日の実施要綱等について綿密な打ち合わせを数度実施し、開催に備えた。また立地柄、作業中に沢山の人々が周囲を通行することが予想されたため、荒川区職員へ交通誘導の協力を依頼。そのおかげで当日は参加者及び通行人ともに事故等なく、無事活動を行えた。
  • 居住者の声
  • 建物の住環境及び資産価値向上に寄与する、良い取り組みであった。
  • 「南千住駅周辺全体の印象が良くなった。素敵なお花をありがとう」という声が、近隣住民からも寄せられた。
  • 将来はお花屋さんになりたいです。(by小学校低学年の女の子)
  • 今後もこの取り組みを継続し建物をお花でいっぱいにすることで、住む人や訪れる人々の心に温もりを与えたい。
  • 「花いっぱい夢いっぱい」な建物にしていきたい。
  • 本件を実施するのに掛かった費用(掛かる費用)
  • 参加者への飲み物代及び消毒液(コロナ対策用)購入費用、計3,000円程度。
  • ※プランター、花植え、土、肥料、用具(スコップ・手袋・ジョウロ)、作業時の怪我や疾病等に対応する「ボランティア保険」加入料は全て荒川区の負担。
  • 本件を実施することで削減することが出来た費用
    (出来る費用)
  • 違法駐輪を取り締まるための巡回スタッフ(防災センター管理員、警備員)の人件費及び、シルバー人材センター等外部機関への警備巡回等の業務委託費等。(※巡回スタッフ等の人件費換算分及び外部機関への委託業務費等日額1万円程削減。)
  • なお「費用削減」ではないが、建物の印象が良くなったことから来訪者が増え、それに伴い建物の有料駐輪場の利用者が増え、管理組合の駐輪場収入が約10%ほど増額し、管理組合会計の収入増につながった。
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